原発巨額損失による東芝の経営破綻とその教訓―原発推進は企業経営にとっても自滅的である 渡辺悦司

2017年02月

原発巨額損失による東芝の経営破綻とその教訓
――原発推進は企業経営にとっても自滅的である――

受注分をすべて完工すれば損失は10兆円に上る可能性
さし迫る、原発危機から財政破綻・経済恐慌への転化


市民と科学者の内部被曝問題研究会会員 渡辺悦司
2017年2月16日(2月22日改定・補筆)



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原発巨額損失による東芝の経営破綻とその教訓(pdf,18ページ,1274KB)


 東芝は、アメリカでの原発事業による巨額損失によって経営が破綻し、事実上の「銀行管理状態」(『東洋経済』誌)に陥った。
 言うまでもなく東芝は、従業員19万人を擁する日本有数の超巨大企業である。東芝は、歴代の政権と極めて親密に結びつき、経営者団体のトップや政府関連機関にOB経営者を送り込み、また他方では政府・権力に最大限に庇護されてきた。最近では、安倍首相やオバマ大統領が自ら先頭に立って、東芝とその米子会社のために、海外への原発のトップセールス外交を繰り広げてきた。2015年の不正会計事件では、証券取引委員会の告発を受けながら、官邸サイドが圧力を行使し、検察が不起訴にしたといわれる。東芝は、それほど大きな政治的影響力を持つ、いわゆる「アベ・お友だち企業」の中核的な一社である。そのような企業が、しかも政府・財界が一体となって国策として進めてきた海外原発事業での損失によって、事実上経営破綻したのである。これはいったい何を意味するのであろうか?
 東芝危機については、数多くの記事や論説が発表されており、すべてに目を通すことは個人には不可能であるほどである。だが、ここでは、これらのマスコミやネット上の論考ではあまり触れられていないように思われる重要な諸側面を検討しよう。それらは要約すると以下の通りである。
 第1に、東芝の原子力事業での損失の規模は、公表されている7125億円にとどまらないという点である。すでに経済誌でも指摘されているとおり、今回公表された決算資料には、米原発事業関連を中心とする簿外の債務保証が7935億円あると明記されている。これは事実上の「隠れ損失」であり、それを含むなら、損失額は現在の段階ですでに合計1兆5000億円レベルにまで膨らんでいると評価すべきである。東芝の現在の経営陣の方針は、あくまで海外原発工事を完工まで進めるとというものである。現在明らかになっているデータから簡単に計算できるが、完工の場合の損失リスクの総額は、工事中と計画中の13基について、付随的な損失リスクを含めて、6〜16兆円規模に膨れあがる可能性がある。
 第2に、東芝危機が示すのは、原発が、その超巨大なコストとリスクによって、企業経営の観点から、推進する企業にとってさえ自滅的であるという点である。原発は、事故時や通常運転時に放出される放射能が地域住民や国民全体の健康・生命を破壊する(確率的大量虐殺と国民的健康危機)という意味で、推進する政府や国や国民にとって自滅的であるだけでない。東芝の危機は、原発推進が企業経営にとっても自滅的性格をもつことを、端的に、またこの上なく鮮やかに示したと評価しなければならない。しかも東芝の破綻は集中的な表現であり、それがここまで鮮明に現れたという意味で、一つの歴史的転換点である。この教訓を、単に脱原発を求め放射線被曝に反対する広範な人々だけでなく、企業の経営者も従業員も労働者も労働組合も、すべての政治家も、国民全体が、心に刻んでおかなければならない。そうでなければ、国民も国全体もまた、東芝のように破綻し没落し自滅する運命にある。「東芝を見よ」――これが原発推進に関する歴史の教訓である。
 第3に、東芝経営陣も背後にいる巨大銀行も、現実に破綻している原発部門を法的に破綻させる方策をとらず、東芝の「儲け頭」であり「虎の子中の虎の子」である半導体部門を売り払ってまでも、泥沼の赤字に沈んでゆく原発事業をあくまで推進し続けようとしているのはいったいなぜなのか、という点である。東芝経営陣も銀行団も、原発推進によって損失を平気で無際限に積み上げようとしているように見える。とても正常な神経とは思われない。どんなに損失を積み上げようと、原発事業での損失なら、最後には政府が救済してくれるであろうと見込んでタカをくくっているからであるとしか考えられない。このような経営方針は、結局は、10兆円規模のツケを国民の負担に転嫁することである。これは、東芝という一企業にとってだけでなく、日本国民全体にとって、法外で致命的な危険性を持っている。国民の側として、このことをはっきりと認識しなければならない。
 第4に、原発部門の危機は、決して東芝だけではないという点である。日立も三菱も形態は違うが原発事業での受注不振やキャンセルやトラブルにより大幅損失を抱えている。今回の東芝危機は、2015年のフランスの核・原発企業アレバ社の倒産に始まった世界原発部門恐慌の日本への波及として評価しなければならない。
 最後に、政府による東芝救済が行われるなら、さらに日立・三菱を含めた原発部門の「再編」、事実上の国有化が行われるならば、何が起こるだろうかという点である。海外原発事業での損失は日立、三菱でも同じであり、政府がこれら原発部門すべてを救済しようとするならば、その規模は10兆円を遙かに超え、福島原発事故の対策費用22兆円の上に積み重なることになる。その場合、日本の国家財政の破綻と金融・経済恐慌は避けられない、といわなければならない。
 私は、2012年に、日本の支配層が福島原発事故の教訓を学ばず原発推進をなお強行するなら、「いままで日本のマスコミや学者たちが声を揃えて嘲笑してきた、チェルノブイリ事故以後のソ連の運命が、ソ連末期の経済的な停滞と危機と崩壊が、福島事故を引き起こしながら原発に固執する日本において形を変えてくり返されるほかない」と警告した注1。原発推進と苛酷事故の結果として生じる経済的な停滞と危機は、すでに日本国民と日本経済の上に重くのしかかっている。そこから崩壊への移行と転化が(一言で表現すると「成長転化」が)、まずは東芝破綻として、今や目前にはっきりと迫り、あるいは現実に始まろうとしているのである。
 これら論点の整理にあたって、市民と科学者の内部被曝問題研究会のメーリングリストで共に議論いただいた田中一郎氏に、特別な謝意を捧げたい。また、お忙しい中、いつもながら文章のチェックをしていただいた山田耕作氏、遠藤順子氏、小森己智子氏に深く感謝したい。

   目 次
    1.大混乱した決算発表と記者会見、会計処理に対する「不適切なプレッシャー」
    2.あくまでも原発事業に固執する東芝:安全対策によるコスト増と損失の累積的膨張
    3.米原発の損失はどこまで膨れるか:現状ですでに1.5兆円、工事続行すれば5兆円
    4.米原発事業の他にも損失リスクは山積み:合計で6〜16兆円に達する可能性
    5.2月14日の記者会見後の状況について、実質的な銀行管理状態
    6.政府による救済の可能性と展望、原発部門恐慌から財政破綻と経済恐慌へ
    7.まとめ:原発推進の自滅的な危険性


  1.大混乱した決算発表と記者会見、会計処理に対する「不適切なプレッシャー」

 2月14日、東芝は、2016年1〜12月の決算と2017年3月期(2016年4月〜2017年3月)の決算予想を発表する記者会見を予定していた。だが、決算の発表は突然最長一ヵ月延期された。その後、決算数値が「監査法人が承認していない」「大きく修正される可能性がある」「参考値」として公表された注2
 記者会見は異様な光景だった注3。東芝の網川社長は、正式の決算報告・予想が発表できなかったことを陳謝した。佐藤監査委員長は、一方では、「現時点では財務諸表に具体的に修正を行うべき重要な事項は認識しておらず、監査法人からもそのような事項の指摘を受けていない」と言いながら、他方では、東芝の米子会社ウェスティングハウス社による米原発建設会社S&W社買収の会計処理をめぐり、「ウェスティングハウス経営者による不適切なプレッシャー」があったとする「内部通報」があり、この「内部統制を逸脱する不適切な行為」について「現在調査中である」と発言した。それは混乱の頂点であった。監査委員長自身が、発表した決算数値の信頼性を公然と否定し、不正会計処理を示唆したからである。
 記者会見の要点は以下の通りである。①原子力事業は、アメリカでの原発建設コスト増加などにより、7125億円の損失を減損処理する、②2016年12月末の段階で東芝は4999億円の赤字、1912億円の債務超過(事実上の破綻状態)に転落した、③半導体部門を分社化して「過半の」持株を売却、その収益により債務超過状態を解消する予定である、④原発の海外での新規受注は停止するが、既受注分の工事は続行し、廃炉作業や原発機器の製造・販売・サービスも続行する、など。

  2.あくまでも原発事業に固執する東芝:安全規制によるコスト増と損失の累積的膨張

 決算の信頼性を監査委員長自身が否定するとは、「いったい何のための記者会見だったのか」という疑問がわくのは当然である。『日経ビジネス』電子版の見方では、東芝経営陣は、何としても「原発推進の旗は降ろさない」ことを明らかに示したかったのだというのである注4
 同誌が指摘するように、2つの主力部門があり、一方は大きな利益を上げて将来有望であり(半導体部門は昨年前半期に東芝の営業利益の8割、年間換算で約1700億円もの利益を上げている)、他方は巨額の赤字を垂れ流し将来には大きな不安がある(原発部門は7125億円の損失、しかも工事が進めばさらに大きな損失を抱えることになる、後述)ような場合、どちらを選択しどちらを切り捨てるかは、企業経営の観点から自ずと明らかである。だが東芝の選択はまったく「真逆」である。
 もちろん、1.5兆円の売却価値があるとされる半導体部門も、決して安定した地位にあるわけではない。半導体部門は、技術革新が極めて速く、しかも競争が非常に熾烈であるので、毎年3000億円近い巨額の追加投資を続けなければ優位を維持できないといわれる注5。混乱が続き決断が遅れると、投資投入が遅れ、同部門の競争力や企業価値が急速に毀損されかねない。
 東芝は、記者会見後も、「ウェスティングハウス社が受注した米国などの原発新設の案件はリスクを軽減しながら継続する」との見解を繰り返し表明している。だが、原発事業の損失リスクは、東芝にとって、半導体部門の売却益(1兆円程度の見込み)を投入すれば済むような、制御可能なレベルなのだろうか?
 問題の発端は、東芝が、2006年、当時の米オバマ政権の「原発ルネサンス」構想に賭けて、アメリカのウェスティングハウス社の原発部門(従業員数当時約1万4500人、現在も1万2000人)を、実価値の2倍以上という破格の価格で買収したことである(当時6200億円、後に1250億円買増し、合計7450億円とされる)。東芝による買収後、ウェスティングハウス社は、アメリカで8基、中国で4基、英国で3基、インドで6基などの原発を受注あるいは合意し、うち米国で4基、中国で4基、計8基を現在建設中である(表1)注6


表1 東芝の主な海外原発事業

出典:『週刊東洋経済』2017年2月4日号。付記:日本経済新聞の報道によれば、
東芝はサウステキサスプロジェクトの2基の建設から撤退するという(2月20日)。

 2011年3月の福島原発事故を受け、米原子力規制当局は原発の安全規制を強化した。それに伴い、設計変更や工期延長により建設コストが急上昇、受注価格を大きく上回った。日本では、電力会社が建設コスト増加を電力料金に容易に転嫁できるので、電力会社は負担増に寛容である。だが、日本の場合と異なり、海外案件では原則として工期途中でのコスト上昇分は受注業者側の負担となる。
 東芝は、2015年の不正会計事件と2016年のウェスティングハウス社等の減損処理の過程で、利益の上がる「虎の子」部門(医療機器、家電など)を次々売却し、その売却益から原発部門に1兆円の巨費を注入、まともな内部統制も行わないまま、ウェスティングハウス社による、巨額損失疑惑のある原発建設企業の安易な買収など、暴走を容認してきた。
 アメリカでのウェスティングハウス社の原発(AP1000:電気出力115万kw)1基あたり受注価格は、契約時にはおよそ5000億円程度であったといわれる注7。現在、完工までの費用は、控えめの見積りだと9200億円(原子力コンサルタント佐藤暁氏)注8、最新設計の場合1兆3000億円(日立の英国事業での計画価格)注9と推定される。両者の差額、およそ4200億円あるいは8000億円が、完工まで建設工事を進めた場合の原発1基あたりの損失額あるいは損失リスクとなるわけである(表2)。もちろん、日立の受注価格は、工事が進んで行けばさらに膨れ上がるかもしれない。その意味で、建設費1兆3000億円の想定もリスクの最大値を表すものではない。
 現状では、同程度の出力の発電所を、原子力以外の電源によって建設した場合、原発よりもはるかに低いコストで建設することができる。建設費がアメリカにおけるよりも相対的に高い日本における発電所の建設費で比較しても、資源エネルギー庁の2015年の推計で、出力100万キロワットの発電所について、石炭火力2500億円、LNG火力1200億円、ガスコジェネ1210億円、石油火力2000億円である。さらに、再生可能エネルギーでも、陸上風力2480億円、洋上風力5150億円、メガソーラー2940億円、太陽光(住宅)3640億円、バイオマス(専焼)3980億円、地熱7900億円、一般水力6400億円、小水力8000億円〜1兆円と推計されている(表2)注10。原発建設コストは、火力発電はもちろん再生可能エネルギーによる発電所建設コストよりも遙かに高くなっているのである。

表2 各種電源による100万kw級出力の発電所1基当たりの建設費比較

出典:『週刊エコノミスト』2017年2月7日号、『週刊東洋経済』2017年2月4日号、電気事業連合会ホームページ「米国:20年ぶりの新規原子力発電所稼働に向け、NRCの委員会が承諾」、資源エネルギー庁ホームページ(「各電源の諸元一覧」2015年版の1kwあたり建設費より筆者計算)

 公認会計士で会計評論家の細野祐二氏は、会計の専門家として「東日本大震災(福島原発事故)以後の原発建設が、際限ない追加原価の発生で立ちゆかなくなっている」と評価している。「社会が求める管理レベルの原発を作ってしまうと、その発電コストは化石燃料を上回ってしまい」「そもそも原発を作る意味がない」という注11。筆者としては「化石燃料」だけでなく「再生可能エネルギー」も「上回ってしまう」と追加するべきだと考える。

  3.米原発の損失はどこまで膨れるか:現状ですでに1.5兆円、工事続行すれば5兆円の可能性も

 上記の受注額と現実の建設費の差額から、アメリカで受注済みの4基を完成まで工事した場合の損失総額は、簡単に推計できる。およそ1兆6800億円〜3兆2000億円である。
 今回の決算発表文書には、ウェスティングハウス社の債務に対する東芝の「親会社保証」として7935億円がすでに計上されている(以下に該当部分を引用しておく)。


注記:東芝の発表文書24ページにある東芝のウェスティングハウス社への
債務保証額の記述。2016年3月末で7935億円である。2016年12月末時
点での金額は記載されていない。

 この債務保証額の性格は、東芝の発表文書では必ずしも明確ではないが、簿外の事実上の追加債務である可能性が高い。貸借対照表に記載されていないが、本来は支払時に備えて引当てを積み立てておかなければならない性格のものである。実際の損失額は、発表された減損分7125億円ではなく、債務保証額7935億円との合計、約1兆5000億円となるはずなのである。つまり、上で計算した損失推計の下限程度には、すでに到達しているのである。ウェスティングハウス社の不正会計疑惑により、この額がさらに膨れるのは避けられないであろう。
 別の方法でも損失リスクの推計を試みよう。『文藝春秋』誌上で児玉博氏は、今回の減損分7125億円にしても、工事が三割ほど進んだ段階での暫定的な数字にすぎず、「わずか三割程度でこれほどの損失が出ている」ことに注目している注12。児玉氏は突き詰めていないが、もしそうだとすると、完成まで工事を進めた場合、この数字を0.3で除して、あるいは3.33倍して、2兆4000億円程度の損失が予測されて当然である。これも、上記の損失予測の範囲に入る。さらに、現在の損失額を、上で検討した通り、債務保証額を加えて約1兆5000億円とすると、完工まで進んだ場合の損失総額は、およそ5兆円となる。
 ここでは、幅のある数値を採り、アメリカ原発事業での東芝の損失リスクの推計値を1兆6800億円〜5兆円と考えよう。
 アメリカにおいて福島原発事故以後の基準に合致して着工から完成まで進んだ 原発は皆無であり、正確な建設費見積もりは不可能である注13。フィンランドでの原発建設に関連して仏アレバ社が倒産し、後に国有化されたように、工事中の原発がいくら損失を垂れ流しても、完成するかどうかさえわからなくなる事態が生じるかもしれない注14。つまり、原発建設コストは、際限なく膨らんでいくのである。

  4.米原発事業の他にも損失リスクは山積み:合計で6〜16兆円に達する可能性

 東芝の巨額損失は米原発事業だけではない。『週刊ダイヤモンド』が指摘するように、東芝は多くの「損失リスク爆弾」を抱えている(表3)注15
(1)アメリカにおいてだけでなく中国での原発4基の建設工事での収益悪化
(2)東芝が買収した英国の原発事業会社「ニュージェン」による原発受注
(3)大量の液化天然ガスの高値での30年契約による損失発生(最大1兆円とされる)
(4)東芝が買収したスマートメーター(コンピューター内蔵電力メーター)メーカー「ランディスギア」社の減損処理(最大1432億円)

表3 『ダイヤモンド』2017年2月11日号


 (1)の中国事業での損失額について、東芝は記者会見で全否定しているが、とても事実とは考えられない。中国で建設中の4基は、当初計画では、現在までにすべて稼働中のはずであるが、1基も完成していない。中国でも、福島事故を受けて安全規制が強化されており、建設工事はすでに3年以上遅れているとされ、その間の建設費上昇を発注者に負担させることはアメリカ以上に困難だと示唆されている注16
 中国での損失リスクをアメリカの半分から同等と仮定すると、8400億円〜5兆円となる。米中の合計で、東芝にはおよそ2兆4000億円〜10兆円という超巨額の損失リスクがあることになる。
 加えて、(2)の東芝が英国で原発3基を建設する計画(1基あたり建設費5000億円で計画されている)にも着手すれば、損失リスクは、日立の米国での受注価格(1基1兆3000億円)をベースに計算して、2兆4000億円が追加されることになる。東芝の説明のように、原発運営会社(ニュージェンなど)に建設コスト増を転嫁することができたと仮定しても、運営会社もまた東芝の子会社であり、運営会社が赤字になれば、東芝本体に形を変えた損失リスクとして跳ね返ってくるだけである。
 また、(3)のLNG契約も、原発を電力会社に売りこむことが目的であったとされており(前掲『ダイヤモンド』誌)、原発関連の損失リスクだと考えられる。『週刊朝日』注17によると、東芝の主張では「半分程度」の販売はめどが立っているということなので、損失リスクを0.5〜1兆円としよう。
 これらを合計すると、東芝は、海外原発事業において6.1〜16兆円、中央値でも10兆円を超える規模の損失リスクに曝されていることになる。今後さらにインドでの6基の建設にも着手すれば、それによる追加の損失リスクも加わるであろう。インドの場合、建設コスト上昇のリスクだけでなく、事故に対する損害賠償がインドの法律により原発メーカーに義務づけられており、巨額の、おそらく福島事故と同等の10〜20兆円の事故リスクが追加されることになるであろう注18。各種の損失リスクは表4にまとめてある。
 東芝は、半導体部門の売却益、およそ1兆円を投入して債務超過を回避して当面の資金回転を確保し、すでに破綻が顕在化している海外原発事業を今後もさらに続け、受注済みの原発の工事を完成まで進めて行くとしているが、1兆円などでは過去の損失(顕在化しただけで1.5兆円)の穴埋めでさえできず、工事続行によって、泥沼にはまり込むように、際限なく重く膨れあがっていく損失リスクを抱えて、死の沼に沈んでいくことになるだけである。

表4 東芝・ウェスティングハウス関連で予測される損失リスク一覧

注意:損失リスクの予測値であり、必ず生じると主張しているわけではない。
出典:本文参照

  5.2月14日の記者会見後の状況について、実質的な銀行管理状態に

 記者会見後の数日間の動きは、東芝がアメリカでの原発事業による巨額損失によって事実上経営破綻したことを示している。「東芝恐慌」とでも言うべきパニックの波が日本経済全体を襲っている。
 翌日の東芝銀行団の会議(2月15日)において、融資期間の延長をはっきり表明したのは、2つの銀行グループ(三井住友とみずほ)に属する3行だけであった。同会議により、たしかに当面の資金ショートは免れたように見える。だが、経済誌は、この会議をもって東芝が、事実上あるいは実質的に、「銀行管理状態」に置かれたと評価している注19。このことは、東芝危機が、今後に予想される銀行危機・金融危機と、直接に結びついたことを意味する。
 東芝は、分社化予定の半導体部門の「2割」を早期に売却しようとしてきた。だが、東芝の提案に乗った国内外の企業や投資ファンドは皆無であった。東芝は、経営権を譲り渡すことになる「過半の」売却方針を打ち出したが、そうなると、公正取引委員会の審査が入るので、3月末までの早期の半導体部門売却の可能性はなくなったといわれる。これにより東芝は、この3月末で東京証券取引所1部上場の廃止と2部への降格がほぼ確実となった。
 東芝の決算発表の延期(2月14日)から4日間で、東芝株は4割下落した。安全水準と言われる株価200円を割ったことの意味は大きい。S&Pなど格付け会社は次々、東芝の格付けを引き下げた。
 取引企業は、東芝からの資金回収を急ぐ動きを始めている。東芝に原子炉などを納入しているIHI社(旧石川島播磨重工)は、今まで保有してきた米子会社ウェスティングハウスの持株(3%分で189億円)を、東芝に対するプットオプションの(買い戻しの)権利を行使して投資を回収した。この動きは、残り10%の持ち株を保有するカザフスタンの国営企業カザトプロムにも、波及しようとしているといわれる。そうなると、東芝の財務状況は、2社からの買い戻しにより、さらに820億円も悪化することになる。さらに、三菱UFJ信託銀行ほか多くの信託銀行やファンドが、東芝不正会計による損失の補償を求めて、東芝を提訴する動きも広がっている。
 銀行団の中では、行内での東芝の信用格付けを引き下げる動きが広がっているといわれる。銀行の動向次第では、いつ、ウェスティングハウス社がアメリカで、東芝が日本で、破産・企業整理手続きを申請してもおかしくない情勢にある。

  6.政府による救済の可能性と展望、原発部門恐慌から財政破綻と経済恐慌へ

 前掲『ダイヤモンド』誌は「もはや原発リスクは民間では担い切れない」として「政府主導の原発再編」を主張している。他方、政府は、事態の深刻さに明らかに動揺しており、「経産省は東芝を見放した」との評価(前掲児玉博氏)もある。また、原発推進派を代表する日本経済新聞や読売新聞の東芝危機を扱った社説注20が「政府による救済」の方向を提起していない点も注目される。磯山友幸氏も「政府系金融機関の動きを見ていると、東芝を助けようという兆候は見られない」という注21
 しかしこの場合、問題は、上に検討したように、現在のような銀行管理下で、半導体部門売却による当面の損失処理が進んだとしても、海外原発工事を続ける限り、東芝の損失は今以上に膨らんで行くほかないことである。問題は、いつか、政府も銀行も沈みゆく東芝を「見放し」、東芝・ウェスティングハウスが現実に破綻した場合、東芝の貸借対照表が抱えるおよそ3.5兆円の債務の償却に、銀行システムが耐えられるのか、総資産5兆円の企業が10兆円規模の損失に陥った場合、全般的な金融・信用不安が生じる危険がないのか、ということである。
 では、東芝の救済に政府が乗り出した場合、何が起こるであろうか?
 周知の通り、政府は福島原発事故の処理に22兆円を投入する予定である。東芝・ウェスティングハウスの救済でさらに6〜16兆円程度が加われば、必要な財政支出規模は30兆円かそれを上回る規模に膨らむ。日本の年間の国内総生産はおよそ500兆円であるので、その6%以上、政府の予算規模約100兆円の3割、年間の税収総額約40兆円の実に8割が、このまったく生産的成果を生まず、後ろ向きで、無駄な経費に、しかもかなりの部分がアメリカ原子力産業への「くれてやり」のために、蕩尽され消えていくことになる。
 また、それによりアメリカ・中国・英国での原発がもし完成したとすれば、重大事故や通常運転による放射能放出の危険に、周辺住民や各国民さらには人類全体を曝すことになる。
 今後予想されるウェスティングハウス社の整理・合理化や破産法申請に対して、アメリカ・トランプ政権が、米原発産業の雇用の維持のためとして介入し、法外な対日要求を持ち出してくるかもしれず、すでに年金基金などから50兆円もの対米投資を約束した安倍政権に対して、さらなるトランプリスクが顕在化する可能性を指摘する報道もある注21
 しかも、原発事業の危機は東芝だけではない。仏アレバ社と組む三菱、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と組む日立の原発部門の危機も迫っている。
 日立については、政府は昨年末2016年12月15日、唐突に日立の英国での原発事業に1兆円の政府資金を投入することを決めた注9。これは、日立の英国原発事業に、このように巨額の政府系金融機関からの融資を必要とするような、何らかの困難な事態が生じていることを示唆する。また日立は、2017年2月1日に、米原子力事業で700億円の営業外損失見通しを発表した注22。実際の損失額がこの程度でとどまっているのかは疑わしい。
 三菱については、三菱重工が米カリフォルニア州サンオノフレ原発に納入した蒸気発生器が2012年初めての運転期間に一次冷却水漏れ事故を起こした件をめぐって、巨額の(9300億円)の損害賠償が提訴されており、評決や和解の内容次第では、千億円単位の巨額損失が不可避となっている注23。ベトナムで受注した原発はキャンセルされ、トルコでの正式受注への動きも調査段階で大きく遅延している。このような中で、三菱はさらに、仏政府によって国有化されてもなお深刻な経営危機にあるアレバ社に、「引くに引けず」400〜500億円の「苦渋の出資」(日本経済新聞の表現)をしようとしているが、回収は出資前から不安視されている注24
 2015年5月の仏アレバ社の倒産から始まった世界的規模の原発部門恐慌は、今回アメリカと日本において東芝・ウェスティングハウスに波及し、さらに日本の原発部門全体に拡大しようとしている。
 政府による東芝救済が行われても行われなくても、それにかかわらず、原発推進の尻拭いとして国民への請求書は一国の経済や国民が負うことができないような規模にまで積み上がり、支えきれないほど重くのしかかり、財政破綻と経済恐慌へと導くことは避けられない注25

  7.まとめ:原発推進の自滅的な危険性

 われわれとしては、以下のように結論してもよいであろう。
 原発は、①核爆弾と同じ過程を利用するという本質的な危険性によって、②事故時・通常運転時を問わず放出される、核戦争・大気中核実験に匹敵するほど巨大な放射能による健康・生命の破壊および環境汚染によって、③不可避的に生じる大量の核のゴミを、人類の生存期間を超える(数十万年やそれ以上の)長期にわたり、保管し隔離し管理しなければならないということによって、④それらすべてが要求する超巨大で超長期の、人類には担うことのできない経済的社会的コストによって、
 ――原発推進を追求する企業にとって経営的に自滅的である、
 ――その企業の従業員や労働組合にとって自滅的である
 ――原発を追求する政府にとって財政的に自滅的である、
 ――原発を推進する国の国民経済にとって自滅的である
 ――原発をかかえる国民全体にとって自滅的である、
 ――原発はあらゆる面において自滅的である、
 この教訓を学ばないならば、企業も、政府も、経済も、国民も、被支配層だけでなく支配層も、①住民と国民全体の健康と生命の破壊という意味からも、②経営的・経済的・財政的・金融的破綻という意味からも、③人類だけでなく地上の生命全体にとっての生存環境の破壊という意味からも、現実の破滅が待っているだけである。
 東芝の危機は、この真理を示すさらなる証左であるという意味で、脱原発と反被曝の運動にとって極めて重要な意味を持つといわなければならない。



   注 記

注1 渡辺悦司「マルクス主義経済学からの原発批判」大和田幸嗣氏・橋本真佐夫氏・山田耕作氏との共著『原発問題の争点』緑風出版(2012年)第4章所収、194ページ
http://www.ryokufu.com/isbn978-4-8461-1213-4n.html

注2 東芝「2016年度第3四半期および2016年度業績の見通し並びに原子力事業における損失発生の概要と対応策について」
http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20170214_4.pdf
・日本経済新聞電子版「東芝、最終赤字3900億円に 17年3月期 黒字予想が一転」2017年2月14日 17時25分
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGD14H0V_U7A210C1000000/?n_cid=NMAIL002

注3 記者会見については、テレビ東京番組「ワールド・ビジネス・サテライト」のほか、主に以下を参照した。
・日本経済新聞電子版「東芝綱川社長『半導体、株式の過半保有にこだわらず』、債務超過回避に手立て」2017年2月14日20時01分
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO12892380U7A210C1000000/
・産経ニュース「東芝記者会見詳報(上)半導体事業分社化『50%以上の譲渡も』役員報酬のさらなる減額も」2017年2月14日20時32分
http://www.sankei.com/economy/news/170214/ecn1702140034-n1.html
・同「東芝記者会見詳報(下)ウェスチングハウス買収『正しかったとは言いにくい』綱川智社長『進退は指名報酬委員会に委ねている』」
http://www.sankei.com/economy/news/170214/ecn1702140036-n1.html
・ロイター通信日本語版「東芝が米原発で減損7125億円、債務超過に メモリー事業売却も」2017年 2月 14日 23時18分
http://jp.reuters.com/article/toshiba-idJPKBN15T0YI?pageNumber=2

注4 『日経ビジネス』オンライン「東芝綱川社長、半導体事業完全売却も否定せず、7000億円減損で債務超過に、志賀会長は引責辞任」2017年2月15日
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/070600052/021400007/?i_cid=nbpnbo_tp

注5 村井怜二「半導体『過半』売却の窮地 加速する『東芝解体』の内情」『週刊ダイヤモンド』2017年2月25日号、「フラッシュメモリー事業の設備投資は2016〜18年の3ヵ年で8600億円に上り、このままでは資金不足が顕在化するのは確実」と指摘されている。

注6 特集「沈没する19万人企業 東芝解体」『週刊東洋経済』2017年2月4日号
東芝のウェスティングハウス社買収をめぐる日米関係については、ここで分析する余裕はない。東芝が、原子力から撤退したいアメリカと日米同盟を優先する日本政府によって「嵌められ」「ババを引かされた」という評価があることだけを指摘しておく。このような側面があったことは事実であり、東芝はアメリカの原発独占企業によって食い物にされたという指摘は正しい。この日米原子力同盟の日本側にとっての対米従属的側面がどの程度の重要性と力を持っているかは、今後、①東芝の破綻整理あるいは東芝の日本政府による救済がどの程度アメリカ原子力産業の救済につながるかの程度によって、②2018年に迫った日米原子力協定(日本の再処理とプルトニウム保有を認めている)の期限へのアメリカ側の対応の仕方などによって、実際に示されるであろう。2つだけ文献を挙げておこう。
・元朝日新聞編集委員の山田厚史「東芝が米原発産業の『ババを引いた』理由」ダイヤモンド・オンライン2017年2月2日がある。
http://diamond.jp/articles/print/116376
・「"嵌められた"東芝 日米原子力同盟の末路」『週刊朝日』2017年2月10日号
https://dot.asahi.com/wa/2017013100133.html

注7 前掲『週刊東洋経済』2017年2月4日号34ページ

注8 原子力コンサルタント・佐藤暁「期待外れのモジュール工法、コスト増と工期遅延を招く」『週刊エコノミスト』2017年2月7日号

注9 日本経済新聞「英原発に1兆円支援 政府、日立受注案件に」2016年12月15日
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS14H8E_U6A211C1MM8000/

注10 資源エネルギー庁総合エネルギー調査会長期エネルギー見通し小委員会「各電源の諸元一覧」2015年5月26日
http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/mitoshi/cost_wg/pdf/cost_wg_03.pdf

注11 細野祐二「債務超過の悪夢 東芝ウェスティングハウス 原子炉の逆襲」『世界』2017年3月号 115ページ

注12 児玉博「経産省は東芝を見放した」『文藝春秋』2017年3月号 167ページ

注13 現在での竣工までの原発総建設費のレベルを示唆するデータとして、2016年10月に運転を開始したワッツバー原子力発電所2号機の事例がある。電気事業連合会(電事連)のホームページによれば、同原発は「1985年に55%が完成した状態で計画が一時中止されたが、12年後(1997年)に建設が再開された」という。ウェスティングハウス社による同機の「総建設費は40億〜45億ドル(約4700億円〜約5300億円)」とされている。この数字が1985年以前の既投資分を含むかどうか不鮮明だが、完成まで20年以上経っており、その間の物価変動は極めて大きいと考えられるので、1985年以前の建設費は含まないと考えるのが自然であろう。そうすると、45%分が5000億円となり、着工から完成までの工事費総額はおよそ1兆1100億円という計算になる。これは、われわれがここで参照した、日立の英国事業における建設費1兆3000億円とほぼ同等である。
・電事連ホームページ「米国:20年ぶりの新規原子力発電所稼働に向け、NRCの委員会が承諾」2015年3月5日
https://www.fepc.or.jp/library/kaigai/kaigai_topics/1246770_4115.html

注14 杜耕次「瀕死の仏原子力大手『アレバ』に巨額出資する『三菱重工』への疑問」『新潮社ハフィントンポスト』サイト2016年12月28日
http://www.huffingtonpost.jp/foresight/nuclear-investment_b_13862194.html
ちなみにこの記事によると、倒産したアレバ社の5年間の累積赤字は、日本円に換算して1兆2000億円程度であった。今回の東芝の損失がいかに巨大で有るかが分かる。

注15 「緊急特集 東芝瓦解」『週刊ダイヤモンド』2017年2月11日号 11ページ

注16 小笠原啓「東芝内部資料で判明、中国でも原発建設3年遅れ 受注から9年、着工から7年経過しても稼働は『ゼロ』」『日経ビジネス』オンライン 2017年2月10日
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/070600052/020900006/?rt=nocnt
「最初に着工した三門1号機はもともと、2013年11月に運転を始める予定だった。2011年の福島第1原発事故を受けて安全規制が強化されたことで、工事が次第に遅延するようになった。… 米原発事業では工事の長期化により、建設に携わる人件費などが想定を超えて膨らみ、巨額の減損損失計上を迫られようとしている。計画が当初予定から大幅に遅れているのは中国も同じだ。東芝の関係者は『建設コストの超過を巡って中国で争いになったら、WHに勝ち目はない』と話す。」

注17 「東芝巨大損失リスク 原発に続きLNG事業でも」『週刊朝日』2017年2月15日
https://dot.asahi.com/wa/2017021400094.html
「東芝は『LNGを一切引き受けられない可能性は低い。年間220万トンの半分程度の買い手は見つかっている』(広報・IR部)と主張している。約1兆円はあくまで『最大想定』として不安を打ち消そうとしているが、現実は厳しい。」

注18 読売新聞「東芝 海外原発足かせ」2017年2月22日
「WHが計6基の受注を見込んでいたインドでも、立ち往生している。インドの法律では仮に建設した原発で事故が起きた場合、原発メーカーが賠償責任を負うためだ。リスクが大きく、法改正がされない限り、契約しにくいのが実情だ」。

注19 山田勇大「原発事業で存続危機 東芝『解体』が始まった」『週刊東洋経済』2017年2月25日号から引用しよう。「現に2月15日に取引先金融機関を集めて行った説明会では、正式な第3四半期決算発表の延期と12月末の債務超過を受けても3月末までの融資額維持の合意を得られた。しかしそれは東芝の命運を銀行が握る、銀行管理の状態にあることを意味する」。
他に、磯山友幸ほか「なんでこんなことになったのか 東芝はもう死んでいる」『週刊現代』2017年3月4日号にも同様の指摘がある。

注20 日本経済新聞社説「危機打開へ東芝は大胆な再建策を示せ」2017年2月15日付
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO12923180V10C17A2EA1000/
・読売新聞社説「東芝経営危機 統治不在が招いた名門の迷走」2017年2月17日
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170216-118-OYT1T50124/list_EDITORIAL%255fEDITORIAL

注21 朝日新聞「首相『米の雇用70万人創出』 日米首脳会談で提案へ」2017年2月3日
http://www.asahi.com/articles/ASK2276Y0K22ULFA02X.html
・前掲、磯山友幸ほか「なんでこんなことになったのか 東芝はもう死んでいる」『週刊現代』2017年3月4日号。

注22 朝日新聞「日立、700億円の営業外損失見通し 米国の原発事業で」2017年2月1日
http://www.asahi.com/articles/ASK215JBDK21ULFA02N.html

注23 『ダイヤモンド』オンライン「9300億円の訴訟を起こされた三菱重工!! 日米原発報道での一番の違いとは?――広瀬隆×堀潤対談<中篇>」
http://diamond.jp/articles/-/77425
請求額が7000億円に減額されたという報道もある。
・日本経済新聞2016年7月15日「三菱重工への賠償請求、7000億円に引き下げ 米原発事故巡り」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ15HKO_V10C16A7TI1000/

注24 日本経済新聞「三菱重工、仏アレバに苦渋の出資 原子力から引くに引けず」2016年12月8日
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ08HWB_Y6A201C1TJC000/

注25 前掲、渡辺悦司「マルクス主義経済学からの原発批判」『原発問題の争点』第4章191〜195ページ。基本的に事故直後2011年当時のデータに基づく分析であり、放射能放出量の評価など、現在の時点からは、加筆・改訂すべき点は多いが、基本線で現在の情勢にも貫徹していると確信する。参照いただければ幸いである。以下に私の担当部分の目次を掲げておく。



第四章 マルクス主義経済学からの原発批判
 ─電力の懲罰的・没収的国有化と民主的統制を─
  1節 事故評価の根本問題──原発の本質的危険性
  2節 原発事故としての福島事故の問題点
  3節 チェルノブイリ事故との比較、およそ2分の1の放出量、事故の内容としては福島の方がより深刻
  4節 原発推進勢力の全体像──中核部分だけでGDPの約1割を支配
  5節 民主党政府の事故対応と事故反復を前提とする原発推進政策
  6節 原発推進をめぐる支配層の内部矛盾
  7節 原発をめぐる客観的状況の変化
  8節 原発推進・被曝強要政策の背後にある衝動力
  9節 客観的に求められている要求──懲罰的国有化と民主的統制
  10節 脱原発要求がもつ自然発生的な反帝・反独占的性格